動的なブログ

日常の感じたことをそのまま書いていきます。

爽快感ゼロ—竜王スキーパーク

はるかな連峰を臨みながら雲海を突き抜け滑走する。スキーの醍醐味である。竜王スキーパークには大きな期待を寄せていたが見事に裏切られる結果となる。

美しい雲海が写っている写真につられてこのゲレンデに来た。あの絶景を見ながら滑れたらどれだけ気持ちいいだろうか。20分に1回のロープウェイに乗り山頂に降り立つ。見事な絶景だった。テラスには写真を撮る人であふれかえっていた。

しかし写真を撮りに来たのではない。滑ることがあくまで目的なのだ。滑るコースは上級者コースでヘルメットの着用が義務付けられている。「木落としコース」と呼ばれている。

木落としは非圧雪で朝なら新雪が楽しめる。雪質もいい。コブはないので上級者用となっているがボーゲンができ、斜度に対する少しの勇気があれば初心者でも何の問題もなく滑走できる。

問題は圧倒的な効率の悪さである。

下に降りるにはこの木落としを降りるしかない。降りるとまたロープウェイに乗って木落としを滑って・・・。この繰り返しだ。

まずロープウェイに乗るのに時間がかかりすぎる。20分に1回の運行、頂上まではおよそ10分。最大で30分かかってしまう。私が行ったのは三連休の中日ということもあって長蛇の列ができていた。1回の輸送では全員を運びきれない。人が多かったためか10分間隔での運航となったがそれでもかなり待たされる。下りるとまた待たされるのかと考えると滑る気がなくなってくるのだ。15時過ぎに木落としが閉まることを考えればこの時間のロスとモチベーションの低下は致命的だ。

次にコースのバリエーションがなさすぎる。素晴らしいロケーションを備えていながら1つしかコースがないのはゲレンデとして考えられない。木落としばかり滑ることになるので飽きが来て爽快感も全く得られない。コースの本数を増やして、初級者、中級者にも滑ってもらえるようになぜ考えないのか。木落としはほとんど滑っている人がいない。9割以上はロープウェイに乗って下まで降りているのだ。あまりにも非効率だ。

待ち時間に対して滑っている人が少なすぎる。こんなゲレンデは初めてだ。その現状を知っていながら改善しないのはコスト面の問題だろうか。

これではスキー離れが進むだけである。景観を売りにしているようだがはっきり言ってあの程度の景色なら妙高杉ノ原といったほかのゲレンデでも見ることができる。スキーの醍醐味を大きく損ねている。

いい景色を見られてあとは下の方でゆったり滑れればいいかなという人ならそれでいい。だが、私のようなとにかくガンガン滑りたい人には物足りなさすぎるゲレンデであった。ロケーションはいいだけにただただもったいない。うまいスキーヤーがほとんどい理由がよく分かった。